「たまりせんべい」は、もともとはどんな米もおいしく有効利用したいという先人の知恵から生まれ、各戸で作られていたもの。
それがいつしか腕自慢の名人のところに頼むようになり、商売に発展して、戦前までは塩川・喜多方で数十軒ほど。各町に一軒ずつせんべい屋があり、屋根の上に天日干しされた生地が白く反射するのがこの地方の風物詩でもあった。
では、なぜこの地方にたまりせんべいの文化が育ったのか。おいしい米、そして山麓の豊かな伏流水に恵まれ、湿度温度を一定に保つ「蔵」の町ゆえに醸造業も盛んだったからだ。
その伝統を今に伝え、一枚一枚職人による炭火手焼きにこだわる。
冬でも扇風機の手放せない作業場では、レンガ窯から次々に焼き上がるせんべいに、稲で作ったみごばけで手際よくたまりが塗られていく。
炭にこだわるのは、遠赤外線で芯まで火が通り、一酸化炭素がせんべいを包み込み冷たい空気から守り、香ばしい薫りを逃がさないから。
当店のたまりせんべいは3種類ございます。
☆喜多方では現在、数件のおせんべい屋さんが「たまりせんべい」を作っています。
お店によって焼き方、味が違いますので、お好みのたまりせんべいを見つけてみてはいかがでしょうか。